「まんまる蛤長屋」坂井希久子著 店を追い出された父娘が流れ着いた長屋とは
「まんまる蛤長屋」坂井希久子著
お小夜は、日本橋馬喰町に店を構える小間物屋・丸屋の一人娘として、何不自由なく育った。しかし父の徳兵衛が、結託した後妻のお久と番頭の伊蔵によって横領の罪を着せられ、父娘で店を追い出されてしまう。流れ着いた深川蛤町の長屋で暮らして半年、お小夜はいまだに貧乏暮らしに慣れない。徳兵衛は毎日慣れない行商に出るが、仕入れた小間物はさっぱり売れない。父の助けになりたいお小夜が、この辺りでは何が売れているのか近所の小間物屋の店先をのぞいていると、同じ長屋に住むぽん太姐さんに声を掛けられる。事情を聞いたぽん太は、あの店は参考にならないという。客の出入りが多いのにと不思議に感じるお小夜に、ぽん太はその理由を話してくれる。
面倒見のいい大家が厳選した長屋の住人たちの人生を描く連作時代短編。 (朝日新聞出版 858円)


















