浅野忠信がNHK「ロング・グッドバイ」にハマった理由

公開日: 更新日:

 まるで、水を得た魚のようだ。不惑の浅野忠信が、連ドラ初主演となるNHK土曜ドラマ「ロング・グッドバイ」(21時~)で生き生きと演技していることだ。

 原作はレイモンド・チャンドラーの同名小説。名探偵フィリップ・マーロウを世に送り出したハードボイルドの最高傑作のドラマ化だ。この手のドラマは好き嫌いがハッキリ分かれる。だから、松田優作主演の「探偵物語」(79年)にしろ、永瀬正敏主演の「私立探偵 濱マイク」(02年)にしろ、コミカルで薄めたハードボイルド風味の作品が量産されてきた。

 そんな中、「ロング~」はド直球の稀有(けう)な作品。大コケすれば、主演も致命傷を負いかねないが、放送開始から評判は上々だ。日本版マーロウこと増沢磐二に扮する浅野について、コラムニストの桧山珠美氏も「他の俳優では代役が利かない。まさに適役といえる」とうなずいた。

■「ルパン三世」の銭形警部役に弾み

 映画俳優のイメージが強い浅野だが、デビューはテレビドラマ。88年放送の“金八先生シリーズ”に、本名の佐藤忠信で出演している。学ラン姿が初々しいティーンエージャー。それからまもなく映画の世界に引かれ、11年にはハリウッドにも進出した。が、トシも経験も上の渡辺謙(54)や真田広之(53)と比べると小物感が漂う。2010年、日本アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされるも、最優秀主演男優賞に輝いたのは渡辺謙。どうしても先輩には勝てないのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」