サカイCMの名脇役・徳井優を変えた井筒監督“小田原事件”

公開日: 更新日:

 振り返ると僕はその年に結婚してるんです。俳優としてのキャリアは10年になってたけど、まだ脇役の脇役。とても食えません。そんな時でしたから、監督は演技指導を通じてハッパをかけてくれたんじゃないか。「おまえの思う通りに思いっきりやれよ」というのはいい芝居をしようとかうまくセリフを言おうとかやない。「役づくりは大切やけど、頭で考えず思いっきり芝居を楽しめ」ということです。

 そんな苦い経験があって翌年にオンエアされたのが注目を浴びるきっかけとなった「引っ越しのサカイ」のテレビCM「エレベーター編」。これは当初予定していた2本が早く撮り終えたので、余った時間を使って、その場のノリで振り付けを考え、ハッチャケて面白おかしく演じたんです。そうしたら大評判。05年まで内容を変えて続いた長寿CMになりました。

 幸運に恵まれたのは小田原の一件があったからこそ。あの時、監督がとことんダメ出ししてくれたからといっても過言ではない。その結果、今こうして役者も続けていられるんですから、足を向けて眠れません。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い