著者のコラム一覧
由紀さおり歌手

1948年、群馬県桐生市生まれ。3歳で横浜へ。ひばり児童合唱団出身。洗足学園短期大学英文科卒。1969年、「夜明けのスキャット」が大ヒット。紅白歌合戦に10年連続出場。実姉の安田祥子とも童謡コンサートを続け、2011年に発売したピンク・マルティーニとのコラボレーションアルバム「1969」が世界的大ヒットを記録した。

デビュー曲は撃沈「夜明けのスキャット」ヒットまでの挫折

公開日: 更新日:

 それから修業時代が始まりました。どこの事務所にも所属しないで、中学3年から高校1年までの間、銀座のキャバレー「モンテカルロ」とかダンスホールの「赤坂ホール」「ゴールデン・ゲート」「コパ・カバーナ」に学校が終わってから毎日通いました。夜の8時まで2回のステージで2曲ずつ歌ったんです。早い時間はお客さんがいないから、バンドと練習曲をやったりね。舞台ではアドリブの演奏が当たり前だから、初めて経験することが多くて緊張の連続。毎回がスリリングでした。「オーバー・ザ・レインボー」とか「オール・オブ・ミー」をその日いきなり言われて歌ったりしました。

 その後は演歌の先生のところにお稽古にいくようになりました。そこで演歌以外にもジャズから歌謡曲まで、あらゆる歌を勉強しました。そうして高校3年の秋、ちょうどご三家(橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦)がはやっていたころ、「ヒッチハイク娘」という曲でデビューしたんです。知らないでしょ? 二宮ゆき子さんの「まつのき小唄」と同時期だったけど、これが売れなくて、撃沈!

 同時デビューした人たちと一緒に新聞社や放送局を回ったりすると「二宮さんのまつのき小唄、いいですよねえ。バーブ佐竹さんはいい声だね」って言われるけど、「ヒッチハイク娘」は聴いてももらえないの。ゴミ箱いきよ! 売れないと宣伝にかけるお金もない。泣くに泣けなかった。もうレコード歌手はつらくてやめよう! って思ってしまったの。

♪好評発売中「BEGINNING~あなたにとって~」
♪由紀さおり50年記念コンサート2019~2020“感謝” 4月19日神奈川・相模原市民会館、7月25日東京・中野サンプラザ、29日愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホールほか20公演以上を全国で開催

【連載】由紀さおり 歌姫のいばら

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした