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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

錦之介の中村プロは砂糖に蟻が群がるように食い尽くされた

公開日: 更新日:

 本人がダメなら身内に当たるのが取材の鉄則。中村家を支えていたのが錦之助の母の小川ひなさん。兄弟が唯一、頭の上がらない存在でもある。兄の離婚問題では丁重に断られたが、弟の嘉葎雄の結婚発表時、都内にあった木の香りがするような自宅に行くと玄関先まで迎え入れてくれた。

 着物姿の背筋はピンと伸び凜とした雰囲気が漂う。歌舞伎界の名門・中村時蔵の妻として小川家を支えた梨園の妻を初めて目の当たりにした瞬間だった。「これが梨園の妻と呼ばれる人か」と貴重な初体験だった。

 突然の発表で、嘉葎雄の奥さんの素顔と、結婚(後に離婚)の経緯がわかっていなかった。母親から聞き出す意図だったが、心得たもので多くは語らず最後に「今後ともよろしくお願いします」と深々と頭を下げた。相手に失礼にならないような母親の取材対応も歌舞伎界の伝統だと思う。 =つづく

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