著者のコラム一覧
平野悠「ロフト」創業者

1944年8月10日、東京都生まれ。71年の「烏山ロフト」を皮切りに西荻、荻窪、下北沢、新宿にロフトをオープン。95年に世界初のトークライブ「ロフトプラスワン」を創設した。6月、ピースボート世界一周航海で経験した「身も心も焦がすような恋」(平野氏)を描いた「セルロイドの海」(世界書院)を刊行。作家デビューを果たした。

鈴木慶一さんがプロデュースしたアルバム「マラッカ」の衝撃

公開日: 更新日:

 ミュージシャンの鈴木慶一さんとは、「1971年」という共通キーワードがある。高校を卒業した翌71年に「はちみつぱい」を結成した慶一さんは、日本語ロックの先駆者となった。学生運動で複数回逮捕されたこともあって就職も難しく、失業保険で食いつないでいた26歳のわたしは、借金した金(120万円)で71年3月、京王線・千歳烏山駅にジャズスナック「ロフト」をオープン。日本のロックの隆盛に合わせるように、西荻窪、荻窪、下北沢、新宿にライブハウスを次々に立ち上げた。慶一さんには「約半世紀の付き合いの長さ以上の思い入れ」がある、日本一バランスが良くて本当に安心して聴ける素晴らしいロックバンドだった――。

  ◇  ◇  ◇

平野 慶一さんはすべてのロフトでライブをやった。73年7月の西荻窪店のオープン6日目、74年11月の荻窪店オープン6日目、下北沢店がオープンした75年12月には、新たに結成した「ムーンライダーズ」名義で元YMOの細野晴臣さんとステージに立っている。

「75年に始めたムーンライダーズは、荻窪店に出演するたびに、よくお客が入るようになりました。最初は数えられるくらいのお客さんだったけど。満員の中、酸欠状態で演奏してましたね。新宿ロフトの最多動員を記録したこともあります。やはりロフトには馴染みがありますね」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし