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本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

オール巨人さんの勧めで事務所入り「よかったら考えみて」の軽い一言に隠された真意

公開日: 更新日:

M-1グランプリ」の審査員を昨年限りで勇退されたオール巨人さん。古希を迎えられた現在も若い頃と変わらぬパワフルな舞台を務めてらっしゃいますが、決勝戦の1週間前から禁酒、芸人の言葉を一言たりとも聞き漏らすことのないよう全神経を集中して審査に臨まれ、出場している芸人と変わらぬ緊張感を放たれていました。そんな巨人さんが「ずっと集中力を保って審査するのはもうキツイわ」と勇退されたのは、お笑いに関してストイックゆえの決断で、真剣勝負のM-1審査は若手への惜しみない愛情表現のひとつだったと思います。

 漫才作家として私が師事した先生はいませんが、ネタを書くことであらゆるパターンを教えていただいたという意味で師匠と呼べるのは巨人さんだけです。巨人さんのありがたいところは、出来のいい時はしっかり褒め、悪い時には「これはあかんで」とはっきり言ってくださること。

 1983年にお笑い作家志望者と新人芸人がコラボしてネタを作っていく「笑の会」に参加していた時のこと。当時、人気絶頂だった巨人さんが突然会場に来られて「誰か阪神巨人のブレーンになってくれる人いてへんかな?」と言われたのです。すぐに15人ほどいた作家たちが全員手を挙げ、巨人さんが出された「テーマ」について、おのおのがネタを考えていくということを繰り返して一本の台本に仕上げていきました。皆、本職の都合などで参加者が減っていき、最後は病み上がりで定職についておらず、時間の自由の利く私1人が残りました。

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