森田童子の曲は風化することなく聞かれ続ける…リバイバルブームと世相の相関

公開日: 更新日:

 森田童子の曲は引退後も風化することなく、今も聞かれ続けている。引退から10年後に放送のTBS系ドラマ「高校教師」の主題歌として「ぼくたちの失敗」が流れた際は、100万枚の大ヒットに。その後も映画などで使われては、新たなファンが生まれ、往年のファンを若かりし時代へとタイムスリップさせる。透明感のある美しいソプラノ、切なくも燃え上がる若い恋をつづった歌詞の素晴らしさは言わずもがな。構成作家のチャッピー加藤氏は言う。

■「破滅的な人生を送った父親を通して戦後を見ていた」

「昨年暮れに出版された故なかにし礼氏の未発表作『血の歌』で、実は姪だったという事実が明かされたのは衝撃でした。小説『兄弟』でも描かれた、特攻帰りで放蕩を繰り返し、破滅的な人生を送った兄・正一氏の娘だったとは。小説なので名前は微妙に変えてありますが、これは書いておかないとと思ったのでしょう。その事実を知って、ああ、そういうことだったのかと納得した部分もあります。森田童子は1952年生まれで、全共闘世代よりも少し下ですから、直接闘争したり敗れたわけでもない。それなのに、あのどうしようもない敗北感、途方もない闇は一体どこから生まれてきたのか? そう、敗戦を体験し破滅的な人生を送った父親を通して、戦後を見ていたのです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  2. 2

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  3. 3

    やす子「ドッキリGP」での言動が物議…“ブチ切れ”対応で露呈してしまった芸人の器量と力量

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    中央学院戦の「1安打完封負け」は全部私の責任です。選手たちにもそう伝えました

  1. 6

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明

  2. 7

    タレント出身議員の“出世頭” 三原じゅん子氏の暴力団交遊疑惑と絶えない金銭トラブル

  3. 8

    巨人の正捕手争い完全決着へ…「岸田>甲斐」はデータでもハッキリ、阿部監督の起用法に変化も

  4. 9

    ドジャース大谷翔平の突き抜けた不動心 ロバーツ監督の「三振多すぎ」苦言も“完全スルー”

  5. 10

    萩生田光一氏「石破おろし」がトーンダウン…自民裏金事件めぐり、特捜部が政策秘書を略式起訴へ