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城下尊之芸能ジャーナリスト

1956年1月23日、福岡県北九州市生まれ。立教大学法学部卒。元サンケイスポーツ記者。82年、「モーニングジャンボ 奥様8時半です」(TBS)の芸能デスクとなり、芸能リポーターに転身。現在は「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)、「朝生ワイド す・またん」(読売テレビ)、「バイキング」(フジテレビ)に出演中。

上島竜兵さんへの供養も笑いに…「ダチョウ倶楽部」2人の仕事復帰

公開日: 更新日:

 ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんが急死したのが5月11日。1カ月ほど間を空けて、肥後克広と寺門ジモンが「ダチョウ倶楽部」としてラジオに出演した。上島さんの死のショックから気持ちの整理をつけての“仕事復帰”となった。

 もちろん、上島さんの話をされるのは当然で、パーソナリティーのひとりに「上島さんが旅立ってしまわれて」と振られると、「エーッ、聞いてないよ~」と定番のギャグで応じていた。

 ラジオ局に入る際には肥後が帽子を「くるりんぱ」とかぶり直したり、仕事帰りにはジモンと並んで両手を突き出し、「ヤーッ」とお約束のポーズを見せ、「これからも現状維持」の決めゼリフも披露した。

 例えば、有名歌手が亡くなると、通夜や葬儀でヒット曲が次々に会場で流されたりするが、お笑い芸人の場合はそれが笑いになる。僕らもワイドショーで、その芸人の面白い場面を立て続けに流すのが常で、それが供養だと考えている。

 上島さんなら、もはや伝統芸と言えるくらいの「熱湯風呂」や「アツアツおでん」を見せなければ、放送する意味はないと思うほどだ。出川哲朗が訃報を受けてのコメントで「まだまだケンカしてチューしたかった」というのも、上島さんの芸風を忘れさせないという気持ちの表れだろう。

テレビで使えなかった笑福亭鶴瓶の「うどん」の話

 笑いで、その芸人を偲ぶということを最初に教えてくれたのは、笑福亭鶴瓶だった。彼の師匠の笑福亭松鶴さんが亡くなった時に思い出話を頼むと、「一門の余興で裸になり、オチンチンにうどんの玉を巻いて踊ってウケていたら、師匠が『そんなもん、芸やない!』と激怒し、シーンとしたまま踊り続けるハメになった」とか、「師匠の本当の最後の言葉、知ってはりまっか?『ババ(大便)したい』と言わはったんです」と、放送では使えない話で笑わせてくれた。

 他の弟子も「1階はマスコミの人が血走った目をして取材に駆け回っていて、2階は弟子が集合して師匠の昔話で大笑い。3階の病室には親族が集まり、おかみさんが大泣きしている凄い現場でした」とやはり笑いを取ってくるわけだ。

 ダチョウ倶楽部のメンバーは、3人での仕事だけでなく、1人がドラマなど別の仕事が入っていると、残り2人でも地方の営業などでいつも以上に笑わせるプロの仕事っぷりを見せていた。この先も上島さんを思い出させる“伝統芸”の笑いを見せつけてくれるはずだ。

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