著者のコラム一覧
ラサール石井タレント

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

「ついこの間起こった事を忘れちゃだめだ」井上ひさしのメッセージが今の時代にぴったり当てはまる

公開日: 更新日:

 こまつ座「闇に咲く花」(作・井上ひさし)観劇。舞台は戦後2年経った、靖国神社の近くにある愛敬稲荷神社。

 主人公はその境内で拾われた捨て子だった男。神主に育てられ野球選手になるが、戦争に取られる。戦死したと思っていたらある日ひょっこり帰ってくる。記憶喪失になりグアム島で収容所にいたが、現地の人と野球をして記憶がよみがえったのだ。

 しかしGHQの民間情報部員が現れ、現地の人間にピンボールを投げて脳振とうを起こさせたのが、リンチだと嫌疑をかけられ、C級戦犯として逮捕されそうになる。

 彼はそのショックでまた記憶を失う。バッテリーを組んでいた親友がなんとか記憶を戻そうと努力をする。最終的な記憶は戻るが、そうなるとGHQに逮捕される。仲間たちは記憶喪失のフリをさせたまま、山奥に逃げさせようとするが、主人公はあえて警察の前で芝居をやめ、こう言う。

「ついこの間起こった事を忘れちゃだめだ。忘れたふりしちゃなおいけない」

「過去の失敗を記憶していない人間の未来は暗いよ。なぜって同じ失敗をまた繰り返すに決まっているからね」

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