「罪の棲家」矢樹純著
「罪の棲家」矢樹純著
学校から帰宅後、遊びに出かけた小4の娘・彩が門限を過ぎても帰宅しない。シングルマザーの「私」は彩の友人らの家に電話をかけるが、誰も今日は一緒に遊んでいないという。半年前、裏山で拉致され、傷つけられた少女の遺体が見つかるという事件があり、気が気ではない。警察にも捜索願を提出。手掛かりを求めて私物を調べると日記帳が見つかる。そこには学校でいじめを受けていたことが記されていた。
マスコミの報道合戦が過熱するが、進展がないまま6日が過ぎたその日、彩が保護される。犯人の隙をついて逃げたといい、すぐに犯人も逮捕される。犯人の供述を聞いた私は、彩の日記に書かれていた一文を思い出し、ある疑惑を抱く。(「裏山」)
さまざまな世代の女性が抱える秘密を描く短編ミステリー集。
(朝日新聞出版 880円)