著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

中村うさぎ&マツコ・デラックスの掛け合いに思う…週刊誌の人生相談回答者に必要な資質と能力とは

公開日: 更新日:

 季節外れのインフルエンザに罹患した娘に付き添って行った調剤薬局で、思いのほか待たされることになった。なかなか名前が呼ばれない。

 薬剤師が先客に話す内容が聞こえてくる。今年は前例がないレベルで咳止め薬が足りないそうだ。新型コロナの影響かとまず思ったが、最大の理由は2020年以降にジェネリック医薬品(後発薬)のメーカーによる不祥事が続き、生産停止の処分を受ける会社が相次いでいるからだとか。そういえば、今週月曜(10月23日)も、後発薬業界最大手の沢井製薬が品質確認検査に不正があったことを認めて謝罪会見をやってたな。

 当局による同社への業務停止命令などの判断はまだだというが、数年前に同社のCM音楽を作ったぼくにとっては十分にショッキングなニュースである。また医薬品の一部原料が中国やインドの規制強化で輸出が厳しくなったことも、咳止め薬不足に影響しているらしい。ぼーっと聞いていると処理できないほどの情報量に、咳ひとつない健康なぼくも頭がモヤモヤする。世の中、事はそうシンプルではないと痛感するばかり。

 薬局の時間つぶしに手に取ったサンデー毎日の、中村うさぎ&マツコ・デラックスの人生相談『信じる者はダマされる』にふと目が留まる。〈まともそうでない男性ばかりが寄ってくる〉と嘆く47歳の女性相談者に、自分がある男性からかけられた言葉を引用して回答するうさぎさん。その男性はうさぎさんに「セックスしている姿は想像できるけど、セックスに至るまでの道が全然見えない」と言い、同席した別の女性には「セックスに至る道は見えるけど、セックスしている姿が想像できない」と言い、つまりセックスしている姿とセックスに至る道も両方見えるのが男にとって理想の女と結論づけたそう。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因