著者のコラム一覧
ラサール石井参議院議員

1955年生まれ。大阪市出身。渡辺正行、小宮孝泰と結成したお笑いトリオ「コント赤信号」で人気に。声優、俳優、司会者、脚本家、演出家、コラムニストとして活躍。第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。2025年、参院選に社民党から立候補し当選。副党首に就任。

春風亭昇太さん、柳家喬太郎さん…噺家という怪物に魅せられた夜

公開日: 更新日:

 噺家という人たちの芸というものは本当に凄いと思うのだが、最近またしびれる現場を見た。

 うちの小宮が芝居のプロデュース公演していて、昼公演だけの日に、夜に落語会を企画した。小宮とゲストが一席ずつ落語を聴かせるのだが、第1夜が春風亭昇太さん、2夜が柳家喬太郎さんという、100人に満たない劇場では、これは何とも贅沢な興行だった。

 そこで私に、小宮が一席やったあとに、ゲストが現れ、あれこれダメ出しするコントを書いてくれと依頼があった。

 1夜目の小宮の落語は「権助魚」。旦那の浮気にヤキモチをやいたオカミさんが飯炊きの権助に、旦那にお供して妾宅を突き止めるように命じるが、旦那に買収された権助は今晩は隅田川で釣りでしたと嘘をつき、アリバイに魚を買って帰るのだが、ニシンや目刺しやかまぼこを買ってすぐにバレてしまうという滑稽話だ。

 そこで私は、昇太さんが「釣られた魚の悲しみが出てない」とか「昭和初期の戦争前夜の空気感がない」とかむちゃくちゃ言う台本を書いたのだが、よくウケてくれて一安心した。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因