著者のコラム一覧
児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

愛され続けたイ・ソンギュンさんの光と影(1)なぜ自ら死を選択せねばならなかったのか

公開日: 更新日:

 私がイ・ソンギュンさんを取材したのは08年。日本のドラマ「白い巨塔」の韓国版に出演したときだ。日本では江口洋介が演じた誠実な医師役だった。当時はまだ大ブレークというほどではなかったが、好印象だったのを覚えている。

 一般的に品行方正といわれている韓流スターの中にも嫌なやつはいるが、イ・ソンギュンさんは裏表がなく、テレビで見るのとまったく変わらない態度でユーモアにあふれていた。その後、着実にキャリアを積み、多くのドラマや映画に主演。「パラサイト」で世界的に名を知られるようになった。

 俳優として成功を収めただけでなく、真面目でクリーンなイメージのイ・ソンギュンさんだっただけに、昨年10月に報じられた違法麻薬の使用疑惑には誰もが耳を疑った。本人は「薬物とは知らなかった」と釈明したが、もっともファンを失望させたのは薬物使用の現場となったのが風俗店という点だった。

 こうして警察での捜査が始まるが、出頭した際には多くのマスコミに取り囲まれ、家族や関係者に対して謝罪の言葉を口にするイ・ソンギュンさんの痛々しい姿がテレビに映し出された。もはや米アカデミー賞で見せた輝きは失われ、俳優人生に大きな影を落としていた。 (つづく)

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