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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

NHK「探検ファクトリー」オトナの工場見学で見えてくる、もの作りニッポンの真骨頂と矜持

公開日: 更新日:

 土曜昼の「探検ファクトリー」(NHK)。テーマは「日本のもの作り」だ。お笑いコンビ・中川家の2人と吉本新喜劇座長のすっちーが、全国各地の「町工場」を訪ね歩いている。

 始まったのは2022年4月だ。37年間も続いた「バラエティー生活笑百科」の後継枠だが、堂々の3年目に突入した。

 記憶に残る回が何本かある。ノーベル賞の晩餐会でも使われる、高級スプーンやフォークを製造する新潟県燕市の工場。バチカン宮殿や皇居からも注文が入るという山形県の絨毯工場。原盤作成からジャケット製作までを行う、横浜市のアナログレコード工場などだ。共通するのは機械による大量生産ではなく、手仕事が中心であること。独創的なアイデアを実現する高い技術力を持つこと。そして働く人たちの濃いキャラクターだ。

 先週の舞台は秋田県大仙市。体重や体脂肪を測る「体組成計」の工場だ。体重はともかく、体脂肪をどうやって計測しているのか。以前から不思議だったが、今回判明した。

 体に微弱な電気を流し、その「流れにくさ」の数値を測定。独自の計算式に当てはめて筋肉や脂肪の量を導き出すのだ。

 体組成計は4つのセンサーを持つ精密機器だ。それを1台ずつ手作業で組み立てている。「オトナの工場見学」で見えてくるのは、もの作りニッポンの真骨頂と、それを支える人たちの矜持だ。

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