72歳、ザ・ぼんち里見まさとに“若い女子”が熱狂。イケジジブームが来るか? 老害にならずモテる大人の魅力
去る5月17日フジテレビ系で放送された結成16年以上の漫才師による大会『THE SECOND~漫才トーナメント~・グランプリファイナル』。優勝したツートライブもさることながら、この大会で多くの話題を集めたのが芸歴54年目ザ・ぼんちでしょう。
1回戦第4試合で金属バットと対戦し、僅か2点差で負けてしまったものの、そのインパクトや技術に裏打ちされた爆発的な面白さは多くの視聴者のみならず、芸人仲間や業界人からも称賛を浴び、今大会ベストバウトという声も多く上がりました。
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イケオジならぬイケジジ! 心奪われる女子が続出
その中で散見されたのが縦横無尽に暴れまわるボケ・ぼんちおさむ師匠の手綱を握るツッコミ・里見まさと師匠がカッコイイという声。
THE SECOND以前に遡って調べても、「ほんとずっとかっこいい リアコすぎる」「声が素敵」「ダンディな佇まいがたまらなくかっこいい」と師匠を男性として称賛する声も多く見受けられました。
なかでも記憶に新しいのが、6月5日放送の『ラヴィット!』(TBS系)にて、『THE W』女王で美人若手芸人として名高いオダウエダの小田結希さんが後輩芸人からの愛の告白を断る時の「里見まさと師匠が好きなんで」という発言。
例えそれがウケ狙いであったとしても、それを受けた現場やスタジオは茶化すわけでなく「カッコよかったもんね」と、十分納得の反応でした。
現役で戦い続ける「ザ・ぼんち」の姿
ザ・ぼんちは、1980年代の漫才ブームで人気を獲得し、発売したレコード「恋のぼんちシート」は売上80万枚超、武道館公演をした初の漫才師です。里見まさと師匠は当時から男前の扱いではありましたが、40代以下の多くの若い女性は、その活躍をリアルタイムで知る人はいないでしょう。一時はコンビ解散などもあり、ザ・ぼんちとしては第一線から退いた時期もありました。
2000年代からザ・ぼんちとしての活動を再開したのちは、大阪の笑いの殿堂・なんばグランド花月での出演のみならず、東京のルミネtheよしもとなど若手中堅が出演する舞台にも立っています。それだけでなく、2014年の『THE MANZAI 年間最強漫才師決定トーナメント!』にも出場。認定漫才師50組に選ばれるなど、精力的な活動を続けています。
ただ、コアなお笑いファン以外は「(THE SECONDで)はじめてネタを見た」という人も多いのではないでしょうか。しかもお二人とも今年73歳。若い女性にとっては、お父さん以上に、おじいちゃんと言えるべき存在です。
正直、筆者は昨年と今年の『ノックアウトステージ32→16』進出は、大御所ゆえの忖度だと思っていました。
しかし、今年はあれよあれよと勝ち上がり、審査員のコアなお笑いファンに絶大な人気を持つ金属バットを敗退寸前まで追い詰める爆笑漫才を披露した彼らに、忖度だと思い込んでいた自分を恥じたのは言うまでもありません。
そして、現役漫才師として戦い続ける姿に胸をうたれたのは事実です。例にもれず、里見まさと師匠に胸を焦がしてしまいました。
おじさんあるある「持論述べ」がないSNS
師匠にまずグッと感じたのは、その若々しさ。THE SECOND出場のどの漫才師よりも聞き取りやすいいい声、まっすぐな立ち姿は73歳という年齢が信じられないほどです。
Xもこまめに更新をしていますが、おじさんのSNSにありがちな、自慢や昔の話、時勢などの持論述べはほとんどなく、若手芸人も時折登場するなど、サービス精神も忘れません。そして、大御所芸人にもかかわらず、時折見える謙虚さも魅力です。
素直に謝る謙虚さ
Xで『M-1』準優勝に輝いたバッテリィズの表記間違えをした際は、「ごめん ごめん ごめんなさい。誰も叱ってくれなくて、気付かなかった。バッテリィズ バッテリィズ バッテリィズ バッテリィズ バッテリィズ バッテリィズ」とその後にポスト。
その様子は、「キャリアを重ねても素直に謝れるのすごい」「かわいい」などとネットニュースにもなったほどでした。
ごめん ごめん ごめんなさい。誰も叱ってくれなくて、気付かなかった。バッテリィズ バッテリィズ バッテリィズ バッテリィズ バッテリィズ バッテリィズ— 里見まさと (@SATOMIMASATO) May 7, 2025
THE SECONDでも“ノックアウトステージ16→8”でネタ時間をオーバーして減点となったことを「漫才人生でこんなん初めてやで。悔しい」と勝利した喜びよりも悔しさをにじませ、決勝ステージでも、「学園祭、呼んでください!」と最後に呼びかけるなど、おかれた場に甘んじない攻めの姿勢も、今なお戦い続ける男感があってドキドキします。
だからといって、若手の芽をつぶしたり、ぐいぐい前に行くわけではなく、若手・中堅と共演するテレビなどの平場では、引きの姿勢。おさむ師匠を野放しにして、若手との絡みをあたたかく見守る立ち回りに徹しています。
関西テレビ『マルコポロリ!』では、司会の東野幸治さんに「(ツッコミなのに)静観している」と指摘されてしまいましたが。
大御所師匠でも、老害感を感じさせない
若手や中堅、そして彼らの戦場に立ち向かって精力的に絡んでいく元気の良さ。それは今まで積み重ねた努力や技術に裏打ちされた自信の表れでもあります。
にもかかわらず偉そうな老害感はなく、むしろ親しみやすさがある。全盛期と変わらぬ実力でリスペクトをされ、なおかつ年頃の女性からみたら男の色気を感じさせる里見まさと師匠は、まさに世のおじさんが目指すべき男としての到達点ではないでしょうか。
第一回目のTHE SECONDにて、マシンガンズの滝沢秀一がイケメンとして注目され、写真集を発売されるまでに至ったように、今回のTHE SECONDでは、里見まさと師匠が、同様のムーブメントを起こしつつあるのではないかと思います。
ぼんちおさむ師匠も黙っていれば俳優業でいい味を出しているほどのイケおじ。ザ・ぼんちがイケおじならぬイケジジコンビとして漫才ブームを超えるアイドル的な活躍をする日も近いかもしれません。
(小政りょう/ライター)