天然に近い養殖クロマグロ増産へ 大手水産会社が大型魚を短期間で育成
育てる期間が短い養殖クロマグロの生産が増えてきそうだ。短期養殖は、日本海で6月ごろに来遊が増える1匹100キロ前後の成魚を捕り、いけすに移して半年程度、さらに数十キロ成長させる。通常の養殖マグロは、1匹2キロ前後の幼魚を3~4年育てるため、短期養殖のほうが大幅に飼育期間が短い。
メリットも多い。大手養殖業者によると、養殖の特徴である脂乗りに加え、「天然由来のきれいな赤身を備え、コクもしっかりとある」という。
約20年前から短期養殖に取り組む大手ニッスイは、今年の生産量を1500トンと昨年の1.5倍に増やす計画だ。養殖ブランド「伊根まぐろ」を手掛ける京都府伊根町をはじめ、長崎県や鹿児島県などの事業所でも増産を進める。写真は出荷される短期養殖マグロだ。
マグロ養殖最大手のマルハニチロは、昨年から短期養殖に本格参入。山口県長門市の仙崎事業所では今年度、100トンの生産を目指している。