著者のコラム一覧
鎮目博道テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人

テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人。テレビ朝日で社会部記者を経て、報道・情報系を中心に番組ディレクター、プロデューサーを務め、ABEMAの立ち上げに参画。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)、『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)、メディアリテラシーについての絵本『それウソかもよ? うちゅうじんがやってき た!のまき

テレ朝『TVタックル』出演者の“中国の支配”肯定発言が物議…生放送じゃないのに編集しなかったのはなぜ?

公開日: 更新日:

■言い争いを楽しむ番組だが……

 そもそも「TVタックル」という題名が示すように、あの番組は「言い争ってエキサイトしているのをプロレスのように楽しむ」のがコンセプトの番組だと私は思います。高さんは言ってみれば、テレビ朝日によって「言い争いのリングに、ヒールのレスラーとして上げられた」わけですよ。いまの日本社会では中国政府の評判は最悪に近いわけで、中国人代表として語るというのはアウェイ中のアウェイで、「危険な仕事」なわけです。

 そういう意味では彼女の「いいじゃないですか」という発言は、番組側にとっては「言論プロレスを盛り上げる、ヒールの最高にナイスなファイト」とも言えるわけです。きっとスタッフは「オイシイ」と思ったでしょう。だから多分カットしないでそのまま放送したんじゃないかな、と想像できます。テレビ的にはある意味「それが正解」だとも思いますよ。

 でもねえ…やっぱり「大ケガ」をしそうなら、守ってあげないと。いくら言論プロレス番組とはいえ、ね。それに最近だんだんそういう「お約束ファイト」みたいなのは通用しない社会になってますからね。やっぱり、そういう世相を考えると、ちょっと「優しくない編集」だったな、と言わざるを得ません。

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