“予想できない男”米トランプ大統領がまたも世界経済をかき回す
平日に近くの健康ランド(温浴施設)に行った。更衣室ではプロレスラーのような恰幅のよい老人が、大声で「株で儲かって、儲かって、笑いが止まらないよ」と“フロトモ”に話していた。
日経平均株価を吊り上げていたのは、単元株価格が200万円以上、10単元なら2000万円以上が必要な値がさ株。富裕層の儲け方は半端ないのだ。
庶民はどうか。総務省が7日発表した8月の家計調査によると1世帯(2人以上)当たりの消費支出は31万3977円。物価変動の影響を除いた実質は前年同月比2.3%増加、プラスは4カ月連続と好景気に見える。実際、首都圏に住む友人らは、こぞって大阪・関西万博に泊まりがけで行っていた。
8月の景気動向指数(内閣府、2020年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が113.4と前月比0.7ポイント低下し、2カ月連続で悪化。ただ、数カ月先の景気を示す先行指数は1.3ポイント上昇の107.4と4カ月連続で改善したから不思議だ。
その先行きの見方に激震が起きた。「予想できない男」、トランプ米大統領は10月10日、中国のレアアース輸出規制に関して「貿易で極めて攻撃的な姿勢を取った」と批判し、「11月1日から(あるいは中国の今後の行動や変更次第ではこれよりも早い段階で)、米国は中国に対し現在課している関税に加え100%の関税を課す」としたのだ。