【めかぶ】朝食の「めかぶファースト」は腸内環境を改善し血糖値を抑える
めかぶは、ワカメの根元部分にあたる「芽株」を食用にしたもので、古くから日本の食卓で親しまれてきました。平安時代の文献にも海藻を食べていた記録があり、保存のために干したり、刻んで酢で和えたりするなど、地域ごとに工夫された食文化が根付いています。表面の独特のぬめりは、フコイダンやアルギン酸といった水溶性食物繊維によるもので、めかぶの栄養的な特徴を象徴する部分でもあります。
めかぶは100グラムあたり約14キロカロリーと低カロリー。脂質や糖質をほとんど含まない一方で、ミネラルやビタミンが豊富です。特にヨウ素、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ビタミンKなどを多く含み、甲状腺機能や骨の代謝、筋肉の働き、血圧の調整など、体を支えるさまざまな働きに関わっています。
また、ぬめり成分のフコイダンやアルギン酸は、水溶性食物繊維として腸の中でゲル状になり、糖や脂質の吸収をゆるやかにする作用があります。朝に取ることで腸内環境の改善にも役立つことが報告されていますよ! 近年では、食事の最初にめかぶを食べる「めかぶファースト」と呼ばれる方法により、白米を単独で食べた場合と比べて食後血糖値の上昇が有意に抑えられたという報告もあります。この効果は、めかぶに含まれる水溶性食物繊維が腸内で糖の吸収を遅らせること、さらに消化管ホルモンのGLP-1(ジーエルピー・ワン)を分泌させてインスリンの働きを助けるためと考えられているのです。