著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【めかぶ】朝食の「めかぶファースト」は腸内環境を改善し血糖値を抑える

公開日: 更新日:

 めかぶは、ワカメの根元部分にあたる「芽株」を食用にしたもので、古くから日本の食卓で親しまれてきました。平安時代の文献にも海藻を食べていた記録があり、保存のために干したり、刻んで酢で和えたりするなど、地域ごとに工夫された食文化が根付いています。表面の独特のぬめりは、フコイダンやアルギン酸といった水溶性食物繊維によるもので、めかぶの栄養的な特徴を象徴する部分でもあります。

 めかぶは100グラムあたり約14キロカロリーと低カロリー。脂質糖質をほとんど含まない一方で、ミネラルやビタミンが豊富です。特にヨウ素、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ビタミンKなどを多く含み、甲状腺機能や骨の代謝、筋肉の働き、血圧の調整など、体を支えるさまざまな働きに関わっています。

 また、ぬめり成分のフコイダンやアルギン酸は、水溶性食物繊維として腸の中でゲル状になり、糖や脂質の吸収をゆるやかにする作用があります。朝に取ることで腸内環境の改善にも役立つことが報告されていますよ! 近年では、食事の最初にめかぶを食べる「めかぶファースト」と呼ばれる方法により、白米を単独で食べた場合と比べて食後血糖値の上昇が有意に抑えられたという報告もあります。この効果は、めかぶに含まれる水溶性食物繊維が腸内で糖の吸収を遅らせること、さらに消化管ホルモンのGLP-1(ジーエルピー・ワン)を分泌させてインスリンの働きを助けるためと考えられているのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「マラソン」と「大腸がん」に関連あり? ランナー100人への調査結果が全米で大きな波紋

  2. 2

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態

  3. 3

    高市総裁「首相指名」に漂う不安…自民党内は“厭戦ムード”も燻る火種、飛び交う「怪文書」の中身

  4. 4

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    高市自民、公明からの三行半で早くも本性露呈…「やられたら秒でやり返す」「イキらなきゃ負け」のオラオラ体質

  2. 7

    出来たとしても高市政権は短命…誰も見通せない激動政局の行方を徹底分析(前編)

  3. 8

    佐川宣寿元理財局長のメール開示「遺族と話し合う」…森友文書で加藤財務大臣が明言

  4. 9

    進次郎氏落選もダメージなし? 妻・滝川クリステルが目指した「幸せ家庭生活」と耳にしていた夫の実力

  5. 10

    侍J井端監督 強化試合メンバー発表の裏に「3つの深謀遠慮」…巨人・岡本和真が当選のまさか