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世良康

広島県福山市出身。1948年生まれ。釣り歴40年余りの元日刊ゲンダイ記者。アユ、ヤマメ、磯釣りなどに親しむ。著書に「アユ・ファイター10年戦記」「釣りの名著50冊」「続・釣りの名著50冊」「首都圏日帰り地魚食堂38選」「文人・文士・食通が綴った絶品あゆ料理」(いずれも、つり人社刊)など。

「マクリーンの川」ノーマン・マクリーン著、渡辺利雄訳

公開日: 更新日:

「マクリーンの川」ノーマン・マクリーン著、渡辺利雄訳

 番外として、翻訳ものを一編紹介。ブラッド・ピット主演の米映画「リバー・ランズ・スルー・イット」の原作本である。

 ロッキー山脈から流れ下る2本の渓流が合流するモンタナ州の田舎町を舞台に、フライフィッシング(FF)を愛好する家族の愛、絆、確執、別離を描く。

 父は無類のFF好きで2人の兄弟、兄のノーマンと3歳年下の弟のポールはマスを釣ることを当たり前の日常として育った。

 兄は学業優秀。弟はヤンチャだがFFの腕は天才的。長じて、兄は家庭を持ってつつましく暮らしているが、弟は花形新聞記者として世間に持ち上げられ、いつしか酒と博打と女に溺れていく。

 そんなある日、兄弟は故郷の川に帰郷し、父を交えた3人で思う存分ロッドを振る。純粋無垢なモンタナのマスと対峙するうち、それぞれの内にあるわだかまりや不信感が、雪どけ水のように溶解してゆく……。

 (集英社文庫)

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