著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

河島英五さんは、優しく包み込むような温かい雰囲気でその場の空気を変えてしまうような存在感のある方

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 阪神・淡路大震災の被災者へ向けた「復興の詩」というチャリティーコンサートも主催されていましたが「僕ができることは歌うことだけやから、ひとりでも多くの方に聴いてもらう。それしかないからね。まだまだ困ってはる方もぎょうさんいたはるし、自分が歌うことでちょっとでも助けになるんやったら続けられるうちは続けていきたい」と遠慮がちに言っておられました。「予想以上に大きい」と感じたのは、こういう心根のやさしさからもきていたようです。

 番組収録後、MCのトミーズ雅くんが「河島さんどっか悪いんちゃうかな? なんか違うねん」と真剣な顔をして言っていました。それまで雅くんが、こういうことを言っているのを聞いたことがなかったし、私もスタッフも、がっちりした体格は健康そのものだとまったく気になりませんでしたが、数カ月後に急逝の報を受け、あの時の雅くんの言葉が蘇りました。河島さんご自身は体調不良を感じておられたのか、知っておられたのか、今となっては知る由もありませんが、私には気づかないなにかを感じとっていたようです。

 48歳という若さでしたから、これからまだまだ数多くの心に響く曲を作られ、歌われていただろうなと思うと残念でなりませんが、数々の名曲とともに「河島英五」という名前も後世に引き継がれていくことでしょう。

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