「国宝」が22年ぶりに邦画歴代興行収入1位を更新 大ヒット作“20年周期”の法則
■SNSが生んだカルチャーブーム
20年周期の大ヒット作は時代を映す鏡でもある。「東京オリンピック」は当時テレビが普及していたが、今のようにリアルタイムのスポーツ中継が普通にあった時代ではないし、この時のオリンピックは事前に国民の気分が盛り上がっていたわけではなく、開催期間中に日本人選手が活躍したことから熱狂が広まっていった。その余韻を締めくくったのが記録映画で、国民的なヒットにつながった。
「南極物語」は当時教科書などにも掲載された、南極大陸に残された南極観測隊のそり犬タロとジロの物語。幅広い世代が知っている実話を基に、高倉健が主演。これだけでも注目は高かったが、フジテレビが制作し、メディアを使った大量宣伝が大ヒットにつながった。この作品の成功をきっかけにフジテレビを始め、テレビ局各局が映画製作に本格的に参入することになった。
「踊る大捜査線THE MOVIE2~」の場合は、この作品の劇場版第1作が公開された1998年ごろからその兆しはあったが、ヒットしたテレビドラマの劇場版がもてはやされた。以降も「LIMIT OF LOVE海猿」(2006年)が71億円、「HERO」(2007年)が81億5000万円、「花より男子ファイナル」(2008年)77億5000万円と、ドラマの劇場版は大ヒットを連発。その流れを作ったのがこの作品だった。


















