「時代に挑んだ男」加納典明(64) 俺に「老後」という言葉はないね、まだ自分の正体を見ていないから
加納「俺に老後という言葉はないね。確かに肉体的なことを考えると年齢を感じざるを得ないことは時にはありますよ。でも俺がやらんとすることは、やはり己を作り、創造し続けることです。自分を作り続ける。常に前へ行くということです。そうなると老後というのはないですね」
増田「じゃあ、カメラの仕事も、絵の仕事も、己を作るための手段だと?」
加納「そうです。俺は俺の正体をまだ見てない感じがしてならない。それを知り尽くしたい。そのために創造し続けたい」
増田「なるほど」
加納「要するに自分の才能を含め、人間の正体を知りたいっていうのがどこかにあって、それにはやっぱりアートが一番いいと思うから」
増田「例えばスポーツでいえば野球の落合博満とかイチローとか、あるいは今だったら大谷翔平とか、ああいう人たちが野球を通じて自分を高めようとするのと似てるところがあるんですかね」


















