ボディコン姿の菊池桃子はアイドル時代の可憐なイメージからのキャラ変に大成功

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 どれだけ条件の揃った石黒賢に優しくされても、安田成美の頭からは“ネンジ師匠”のベッドテクが離れず……。

 脚本の大石静さんは「女は自分の体を開発した男から離れられないのか?」という昭和男の幻想みたいなテーマを、ねっとりかつ真正面から話に織り込んでいた。揺れる安田成美の“困り顔”に、視聴者は「そっち行っちゃダメ」と、今ならSNSで祭りになっていたかもしれない。

 さて、安田成美がすっかりナウシカのイメージから脱却したように、その親友役の菊池桃子(当時23)も“脱皮”していた。アイドル時代の可憐なイメージとは真逆のボディコン姿。計算高く、いつも強気で言いたいことははっきり言う、男から見れば“コーマンチキ”な女、右子。これが女子たちには大ウケで、女性誌には彼女の言動を集めた“右子特集”が組まれたりもした。この数年前に謎のロックバンド「ラ・ムー」で失敗したかに見えた桃子のキャラ変は、これにて大成功。

「東京ラブストーリー」や「101回目のプロポーズ」をファンタジーとして楽しみながら、同時に「ヴァンサンカン」でリアルな25歳女子の生々しさに共感したり反発しながら自分を考える──そんな視聴の仕方が、当時の主流だったのかもしれない。日本中が恋愛ドラマに本気で向き合えた時代だった。そして確かに、フジテレビがその中心にあった。

(テレビコラムニスト・亀井徳明)

【連載】あの頃、テレビドラマは熱かった

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