大鶴義丹が父・唐十郎「状況劇場」を再始動 「親たちの狂気や凄みに命がけで挑み続けることが継承ではないか」
「伝統の“水演出”もやります」
──主演の渡辺大さんは1981年に渋谷PARCO劇場での初演で主演した渡辺謙氏の子息で、親子2代の共演になりますね。
「単なる懐古趣味や時代の空気をなぞる“再現劇”にするつもりはなく、現代の観客にも伝わる物語として届けたい。戦後のにおいや狂気をまとった親たちの凄みに対して、まともに立ち向かっても勝てないかもしれない。それでも命がけで挑み続けることこそが、親たちが持っていた情熱への一番の答えであり、継承なのではないかと思います」
──見どころは?
「初期の状況劇場を支えた小室等さんと唐がつくったレコード『四角いジャングルで唄う』から数曲ピックアップし、新しく歌詞をのせた歌が唐の世界観に導いてくれるし、伝統の“水演出”もやります。でも、最近はやりのプロジェクションマッピングなど映像演出は一切やらず、役者の肉体だけにこだわります。父が“特権的肉体論”で新しい演劇を切り開いたことへのオマージュです」
(聞き手=山田勝仁)
▼「下谷万年町物語」は昭和23年、上野と鴬谷の間に広がる下谷万年町を舞台に、男娼や男装の麗人などワイ雑な人間が時空を超えて交錯する幻想的悲喜劇。大鶴、渡辺のほかに凰稀かなめ、松尾樹、三浦浩一、松田洋治ら出演。11月1~10日。都立明治公園みち広場特設テント。開演午後7時(土日は同5時)。


















