元官僚芸人まつもとインタビュー「転職を続けるのはしんどい…自分の専門分野を見極めて“終の住処”を見つけましょう」
「40を過ぎると、このままこの働き方ができるのだろうかと疑問が湧いてきたんです」
──その後、安定の道を捨て、これまた華々しく経営コンサルに転職しました。
「新規事業構築を支援する戦略コンサルも含め、本当に身をすり減らして働きました。しかし、この物語の佐上ではないですが、40を過ぎると、このままこの働き方ができるのだろうかと疑問が湧いてきたんです」
──でも、それがいきなり芸人に向かうところがすごいです。
「自分は、コンサルタントとしてこれといって強みがなかった。その後の展開が見えず『詰んじゃっている』ように思えたので、いっそ思い切ったキャリアチェンジをしようと。子供の頃は、全く面白いタイプではなかったですが、ハガキ職人ではないですが、頭の中で悶々と自分なりの面白いことを妄想するようなタイプでした。それで松竹で芸人になって、今は、新宿などの小さな地下劇場のライブに出演しています。でも、まだ全然食べていける状態ではないです。“終の住処”にはとてもなってない(笑)。実は今も、とある会社でコンサルとして働いているんです」
──“二足のわらじ”なんですね。芸人としての目標は何ですか。
「やはり『M-1』です。2021年から挑戦していますが、どうしても準々決勝進出の壁を破れない。今年は2回戦で敗退してしまいました……。芸人の世界は今、本当にレッドオーシャンでよほど強みがないと生きていけません」
──憧れる芸人は?
「こたけ正義感さんのように知識を生かしたネタには憧れますね。僕も、官僚のヘンなところとかを大いにネタにしていますから」
──著書では、自分の強みを発見する具体的な方法論が詳しく書かれています。
「正直に言えば、僕がそうだったように、自分が何者か何も決めずに走り続けていれば、いずれどこにもたどり着けなくなります。そうならないためにも、悩める職業人の方に、ぜひ、手にとっていただきたいですね」
(聞き手=平川隆一/日刊ゲンダイ)
▽元官僚芸人まつもと 1978年生まれ。京都市出身。京都大学大学院修了後、キャリア官僚として国家公務員を9年間務めたのち、戦略コンサルに転職。ボストンコンサルティングや経営共創基盤で働く。2023、25年にM-1グランプリ3回戦進出。
■「コンサルたちの憂鬱 転職無限ループ脱出マニュアル」 迷えるコンサルと美少女系神様の〈ストーリー編〉と、AIを駆使した「自分の真の専門性」を探す〈解説編〉の2部構成。“キャリア形成”のための具体的な考え方が示される。コンサル業界のリアルな内幕もわかり、コンサルからは、称賛の声も上がっている。


















