【日本前衛派の開拓者】「異端」「破壊」「生と死」「緊縛」…天才たちが解き明かす日本人の本質
11月7日より渋谷シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開
フランス人監督が6年の歳月をかけて日本の前衛芸術を深掘りしたドキュメンタリー。軽い気持ちで見始めたらグイグイ引き込まれ、2回見てしまった。
映画の宣伝文句は「すべては戦争から始まった。すべてが失われ焼野原となった屍の荒野、真っ青な空、真っ赤な大地、そこにあったのは未来だけ」。なんとも意味深な文言だ。
登場するのは森山大道や横尾忠則、荒木経惟、石内都、細江英公、田名網敬、寺山修司ほかいずれも日本の戦後芸術に革新をもたらした面々。すごいメンバーだ。彼らが自作を語り、1960~70年代の世相を解説する。老境の域に達した天才たちの淡々とした語り口が心地よい。
重厚な音楽のもと、大量の写真と映像がフラッシュバックのように流れる。まさに情報の洪水だ。「異端」「破壊」「生と死」「緊縛」など数多くのキーワードが現出。日本人の協調性や裸体を縛る縄と神道との相関関係など、不勉強な筆者はまことに有益な知識を与えてもらった。
驚かされたのは映画が太平洋戦争から始まったこと。若者が死に、原爆が投下され、東京は焼野原と化した。その悲惨な軌跡から、旧体制に抗うように前衛芸術が出現。安保闘争が発生し、彼らアーチストを刺激した。この冒頭だけでも胸にズシンと響く。


















