(83)黒い素襖に癖のある黒髪
川田館の門前まで来ると、左右の門番の武士が、槍を交差させて二人の行く手を塞ぐ。
「何者だ」
宗長は深く頭を垂れる。
「此度、和議を申し出に参りました。柴屋軒宗長と申します。御館様にお取次ぎを」
懐から今川の紋が入った書状を取り出し、門番に示す。門番は…
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