(55)コロナの頃 ~その3~ 踏んだり蹴ったり
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2020年10月の初め、私は吉祥寺のバー「WOODY」のカウンターについていた。左腕を吊っていたので、座っていてもバランスがとりにくい。
それより3週間ほど前に、駅の階段で足を滑らせ、3段ばかり落ちて、肩を骨折していた。コロナ禍の、医療機関の人々にたいへんな緊張状態が続いてきた時期に、私は昼酒を飲み、宵の口の最寄り駅で階段から落ちた。経験したことがないほどの痛みに苦しみながら、救急車で運ばれた。
骨折より脱臼のほうが痛いらしく、病院の処置室で外れた関節をもとに戻すときには、情けないことに、叫びが出てしまった。それが9月のことで、その後、何度かの検査を経て、入院、手術となったのだが、ケガで3週間も酒場に行けなかったのは初めての経験だよと、久々の「WOODY」でマスターの田中雅博さんに報告したのだった。
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