梅雨の晴れ間は「盲腸」に要注意 夏場に発症なぜ増える?

公開日: 更新日:

 池田医師らの論文では触れられていないが、他のいくつかの論文では気温が高いだけでなく、気圧の低い方が盲腸の発症が多いと指摘している。前出の林院長が言う。

「ヒトの免疫細胞には体内に侵入した細菌や細菌の死骸を食べて掃除する顆粒球と、ウイルスや細菌に感染した細胞を攻撃するリンパ球があります。低気圧で副交感神経が活発になると、顆粒球が活発に働き、大量の酸化酵素が発生します。その結果、消化器内の細胞を傷つけるなどして虫垂炎になると考えられているのです」

 気圧の低いときに目立つのでなく、気圧が高くなる梅雨の晴れ間に盲腸が多くなるのは顆粒球が活発になって盲腸を発症するまでにタイムラグがあるからだ。

“盲腸なんて大した病気ではない”と、甘く見てはいけない。ときに死に至ることもある。

「急性虫垂炎は大きく3つのタイプに分かれます。(1)抗生剤での治療が可能なカタル性(2)膿が虫垂突起のなかに充満した蜂窩織炎性③虫垂組織が壊死して穴があき手術が必要な壊疽性です。(3)のケースは発見が遅れると腹膜炎や敗血症といった重篤な合併症を起こし、亡くなることも珍しいことではありません」(林院長)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは