課題は“誤診”と医師選び 「慢性胃炎治療」の意外な落とし穴

公開日: 更新日:

 日本人の6割に胃炎があるといわれている。慢性的な胃炎を引き起こすヘリコバクター・ピロリ菌が、胃がんなどの原因になっていることは知られているが、それを放置している人がまだまだ多いということ。医師にも問題があるという。

 慢性胃炎にかかっている人は、ほぼ100%がヘリコバクター・ピロリ菌に感染している。感染があると、ピロリ菌を退治しようとして大量の白血球が胃の粘膜に集まり、サイトカインという物質が放出される。しかし、ピロリ菌は胃の粘膜ではなく胃粘液の中を泳いでいるため、サイトカインが届かない。そのため“誤爆”で自分自身の粘膜を傷つけることになり、炎症を引き起こす。

 日本消化器病学会専門医の江田証氏(江田クリニック院長)は言う。

「アルコールやストレスなどが原因になる急性胃炎なら、放置しておいてもそのうち改善します。胃の粘膜は再生力が強いので、一時的な炎症があっても元に戻るのです。しかし、ピロリ菌によって起こる慢性胃炎は、除菌しない限り続きます。粘膜はジワジワと破壊され続け、そのうち粘膜がペラペラになってしまう萎縮性胃炎が進みます。これが、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどの原因になるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か