課題は“誤診”と医師選び 「慢性胃炎治療」の意外な落とし穴

公開日: 更新日:

 胃とは関係ない病気も引き起こす。慢性胃炎があると、サイトカインも放出され続ける。サイトカインは全身の血管を巡って免疫の働きを狂わせ、慢性じんましん、慢性頭痛、悪性リンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病といった病気の原因になる。

 血管も傷つけられるため動脈硬化が進み、心筋梗塞脳卒中のリスクもアップ。また、脳神経系にも大きな影響を及ぼし、アルツハイマー型認知症の発症リスクが2倍になるという報告もある。

 まさに“万病のもと”といえる慢性胃炎をしっかり治すには、ピロリ菌を除菌するしかない。

「ピロリ菌を除菌すると、半年ほどで慢性胃炎はなくなります。すでに萎縮性胃炎になっている人も、10年弱で胃の粘膜が再生して萎縮が改善します」(江田氏)

■万全を期すなら他の検査法も

 ただ、慢性胃炎の治療には落とし穴がある。これといった自覚症状が出ないため、気づかずに放置している人が多いこともそうだが、“誤診”も少なくないという。

 現在、全国の都道府県で「ABC検診」と呼ばれる胃がんリスク検診が行われている。「ピロリ菌感染の有無」と「ペプシノーゲン検査」(胃粘膜から分泌されるペプシノーゲンの血中濃度を測定し、萎縮の進行度を診る)により、胃がんにかかりやすい人をスクリーニングする有益な検診といえるが、これだけでは感染を見落とすケースがあるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状