X線検査に“非効率”の声も 胃内視鏡検査が普及しないワケ

公開日: 更新日:

都内の50代勤務医

 厚労省は市区町村が実施している「胃がん検診指針」を今年4月に改訂し、患者さんは新たに内視鏡検査も選択できるようになりました。

 これまでは、バリウムを飲んだ後に行う胃のX線検査だけでした。患者さんは、水に溶けると炭酸ガスを発生する発泡剤を飲んで胃を膨らませ、バリウムを飲んで行う検査です。

 レントゲン透視台に横になってX線撮影を行うのですが、患者さんはレントゲン技師の指示に従い、あおむけやうつぶせになるなど、体位を変えなければなりません。そのため、面倒くさいと考える人は少なくありません。しかも検査後、バリウムを排出するのに痔を悪化させたり、便秘になったりする恐れがあります。結果、市区町村の胃がん検診は評判が悪く、受診者は思うように増えていません。

 そもそも、この胃のX線検査は被曝量が多く、そのためにがんができる可能性もささやかれている上、内視鏡検査に比べて精度が高いとはいえません。仮に問題が見つかったら、内視鏡検査で確定診断するのですから、最初から内視鏡検査を行う方が効率的です。そのため多くの医師は内視鏡検査を受けています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒