常識覆す新リハビリ 失語症は「磁気」で言葉を取り戻せる

公開日: 更新日:

■磁気刺激で話せる能力を改善

 当初は上肢のマヒを持つ患者で実績を挙げた。上肢のマヒは下肢と違って回復が難しいとされ、「発症後6カ月以上は回復しない」といった“常識”もあるが、それらを覆した形だ。そして最近力を入れているのが、失語症への磁気刺激だ。

 ほとんどの失語症は「左脳の損傷」で起こる。だから普通に考えれば、健康な側の右脳に低頻度磁気刺激を与えることになるが、安保教授の研究では、失語症の改善においては、患者によって左右どちらが適しているか異なると判明した。

「MRIで左右どちらの脳のどの部分が、失語症の改善に有用な役割をしているかを見極め、その部分の働きがよくなるように脳へ磁気刺激を与えます。この点が上肢の場合と異なります」

 最初は損傷側の左脳に低頻度磁気刺激を与え、リハビリが進むにつれ、健康な側の右脳への低頻度磁気刺激が適切になるケースも多々見られた。

「少しでも改善される人は、約8割です。話せる能力が改善すれば、再就職できる可能性が高くなります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?