手術の前に…逆流性食道炎は「ARMS」で治すという選択肢

公開日: 更新日:

 ただ、「外科手術」というと患者の多くはおじけづいてしまう。逆流性食道炎はがんなどと違い、放っておいても死なない良性の病気だからだ。

「逆流性食道炎の外科手術は入院も4日程度で済み、安全で成績の良い治療です。それでも、薬の次が外科手術というのは、患者さんにとってハードルが高い。そこで行うようになったのが内視鏡を用いた治療法ARMS(アームス)です」

 内視鏡で噴門部の粘膜を3分の2周から5分の4周切除し、瘢痕形成によって縮ませる。入院期間は外科手術と同じ4日間だ。

 井上医師が最初にARMSを行ったのは10年前になる。早期食道がんで、逆流性食道炎もあった患者だった。食道がん切除のために内視鏡治療を行い、胃の内容物の逆流防止効果も期待して噴門部の粘膜も切除した。すると、逆流性食道炎の症状が劇的に改善し、患者の満足度も高かった。

 それでも、外科手術という確立された選択肢があるので、内視鏡治療は積極的に行ってこなかった。しかし一方で、「薬は効かないが外科手術は嫌」とつらい症状を抱え続ける患者がかなりいる。そのため、3年ほど前から逆流性食道炎だけの患者にも内視鏡治療を実施するようになった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景