味覚障害、子供の低身長…亜鉛欠乏症が原因かもしれない

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 亜鉛欠乏症のリスクが高くなるのは、次の場合だ。まず、亜鉛の摂取量の不足。菜食主義者、低栄養、高齢者が該当する。次に、慢性肝障害、炎症性腸疾患、フィチン酸(穀類・豆類の外皮に多い)の過剰摂取による亜鉛吸収の低下。さらに、妊娠やスポーツによる亜鉛の必要量の増加だ。

 また、糖尿病や腎疾患、ある種の薬の長期服用による亜鉛の排泄の増加も関係している。“ある種の薬”とは、関節リウマチ、パーキンソン病うつ病、糖尿病、甲状腺機能亢進症など。これらの薬の服用は高齢者に多く、症状があっても「年のせい」と思われていることが珍しくない。

 亜鉛は牡蠣などの食品にも含まれている。食生活の改善をすれば、薬は不要ではないかとも思うが――。

食事療法では改善が難しい」(児玉教授)

 牡蠣の亜鉛含有量は5個(60グラム)で7・9ミリグラム。一方、亜鉛欠乏症の治療で効果的な亜鉛の量は、成人で1日50~100ミリグラムであり、食事で日々取るのは実質不可能だ。

 言うまでもないが、今回の薬はサプリメントではないので、医師の処方箋が必要。重篤な副作用として、ほかの亜鉛含有製剤の報告例から、銅欠乏症の恐れが挙げられている。また、服用中は、定期的な血中亜鉛濃度の検査も行われる。

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