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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

女性の主要がん手術 膵臓がんは新規患者と死亡者がほぼ同数

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 乳がんの上皮内がんも、浸潤がんに進行する確率は低いといわれています。しかし、日本では原則として切除になります。乳腺の内側にでき、それだけを切り取ることは難しいため、部分切除か全切除が行われます。手術件数は上皮内がんを含む新規患者数とほとんど同じ。上皮内がんでも、見つかれば乳房切除は免れないということです。

 大腸がんは浸潤がんと診断されると、原則として切除になります。〈表〉の手術件数が浸潤がんの新規患者数を上回っていますが、統計年度の違いが影響しているものと思われます。大腸がん手術は比較的安全であるため、80歳を越えた高齢者でも体力的に問題なければ積極的に行われています。

 肺がん胃がん、膵臓がんの手術件数は、新規患者数の5割かそれ以下にとどまっています。また、新規患者数に対する死亡数の割合が高くなっています。とくに膵臓がんは新規患者数と死亡数がほぼ同数になっており、たとえ手術を受けられたとしても、根治が難しいことが分かります。

【連載】明細書が語る日本の医療

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