日本乳癌学会“強く推奨” 遺伝性乳がんは予防切除すべきか

公開日: 更新日:

 ウチは、がん家系だから……。家族をがんで亡くすと、そんなふうに遺伝的な影響が語られることがあります。がん死が相次ぐと、そう思いたくなる気持ちは分からなくもありませんが、遺伝が原因のことはほとんどありません。まったく同じ遺伝子を持つ一卵性双生児が、同じがんにかかる確率は1割程度です。

 がんの実情と一般の方の意識にかなりズレがある状況だけに、日本乳癌学会の指針改定はちょっと気になります。遺伝性の乳がんについて、将来がんになるリスクを減らすため、反対側のがんのない乳房を予防的に切除する手術を「強く推奨する」と改定したと発表したのです。

 先ほど、遺伝の影響はほとんどないと書きましたが、乳がんは別。遺伝的な理由で発症するタイプが10%程度存在します。BRCA1とBRCA2という2つの遺伝子の異常があると、乳がんのほか卵巣がんになるリスクが高くなることが分かっているのです。医学的には「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)」と呼ばれます。

 男性がこれらの遺伝子変異を受け継ぐと、前立腺がんや、すい臓がんになりやすい。欧米では、予防的に前立腺を全摘する人もいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも