著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

<4>動脈系の血栓症でも非O型より若干有利

公開日: 更新日:

 多数の疫学研究から、心筋梗塞に関してはO型が他の血液型よりもやや有利、脳梗塞でもO型がやや有利という結果が出ています。しかし、肺塞栓症など静脈系の血栓ほどクリアな違いは見られません。

 静脈系の血栓は、主に「血液の流れが滞る」ことと、「血液の固まりやすさ」によってできやすさが決まります。一方、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる血栓は動脈内で作られるため、機構がより複雑になっています。

 心筋梗塞は、冠動脈(心臓自身に血液を送る動脈)が詰まる病気。また脳梗塞は、脳動脈や頚動脈でできた血栓が脳内で詰まることによって起こります。

 動脈は加齢とともに弾力性を失っていきます(動脈硬化)。とくに高脂血症の人の動脈は、内壁にコレステロールがこびりつき、さらに脂肪が蓄積して瘤を作るため、次第に狭くなっていきます。そして何かのきっかけで脂肪の瘤が剥がれると、それを核にして一気に血栓ができてしまうことがあるのです。とりわけ高血圧の人は要注意です。血圧が高く、血管の弾力性が悪いほど、瘤が剥がれやすいからです。

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