著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

<4>動脈系の血栓症でも非O型より若干有利

公開日: 更新日:

 動脈系の血栓は、動脈硬化、高脂血症、高血圧などの影響が大きいため、必ずしも血液自体の固まりやすさだけでは決まりません。しかしそれでも、O型のほうが非O型よりも若干有利になっているのです。

 前回紹介した、デンマークとスウェーデンにおける100万人以上の献血者を25年間にわたって追跡調査した研究によれば、心筋梗塞の発症リスクは、非O型がO型の1・10倍、脳梗塞では1・07倍となっています。この数字だけ見ると、さほど差はないと言えそうです。しかし論文には「その他の動脈血栓症(動脈閉塞症)のリスクは1・55倍」とも書かれています。

「その他」はイメージしにくいかもしれませんが、動脈系の血栓は、別に脳と心臓の専売特許ではありません。動脈硬化は全身性ですし、当然コレステロールも脂肪も、どこの動脈の内壁にもこびりつくため、あちこちで詰まってしまうのです。

 足の動脈が詰まれば「下肢動脈閉塞症」、腎臓で生じれば「腎動脈閉塞症」といった具合です。これらのリスクが、非O型でかなり高めになっているのです。

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