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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

40代女性が肺がんで死亡 検診の見落としを防ぐには?

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 私も会見で提示されたX線画像を見ましたが、肋骨2本が重なる場所でやや分かりにくい位置の腫瘤ではありますが、異常ありと判断すべきケースと思われます。

 大規模な病院なら10万件近い画像検査が行われるので、意見が割れるケースは決して珍しくありません。そういう時は、どちらかを優先するのではなく、リスクを考慮して念のため精密検査に回すべきでしょう。

 15年の企業健診では、別の内科医と同じ放射線科医が画像診断を担当しましたが、前年と変化がないということから「異常なし」。今年1月の区の肺がん検診では、いずれも別の内科医2人が担当し、腫瘤影が薄くなったような所見があり、「異常なし」と診断されたそうです。最初の診断が疑われることなく、引き継がれたように見えなくもありません。

 その後の調査で、14年9月以降にこのクリニックで検査を受けた9424人の画像を見直し、44人が「要精密検査」になっています。あってはならないことですが、検診結果が見落とされる可能性は残念ながらゼロではありません。

 車でたとえると、検診はシートベルトの役目です。シートベルトをしていても、事故で死亡するリスクをゼロにはできませんが、リスクを大きく減らすためには役立ちます。では、そのリスク低減効果をしっかり得るには、どうするか。

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