著者のコラム一覧
平山瑞穂小説家

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

糖尿病10年 非典型的サインの低血糖で意識障害起こし昏倒

公開日: 更新日:

 低血糖らしいと悟り、ゼリー飲料などを口に含ませようとしたが、もはや、まともなコミュニケーションが取れない。僕はそのまま、駆けつけた救急隊員の手で病院まで搬送された。

 その間の断片的な記憶として残っているのは、「何者かが僕を拘束してどこかに拉致しようとしている」という感覚だけだ。

 血糖が枯渇して体が不随になっていただけなのだが、それも怪しい薬を盛られたかのように妄想していた。

 次に覚えているのは、診察台の上で意識を取り戻した瞬間。点滴経由でブドウ糖を投与され、一命を取り留めたのである。

 上からのぞき込む知らない顔の女性が看護師だと気づき、状況を正確に理解するのに、ずいぶん時間がかかった。

 僕にとってももちろん恐ろしい経験だったが、妻の味わわされた恐怖はそれ以上だっただろう。

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