痛みや恐怖感を減らす VRで“気をそらす治療”の凄い効果

公開日: 更新日:

 最近、話題になっているVR(バーチャルリアリティー)。仮想現実と訳され、娯楽のひとつとして定着しつつある。とくにスマホと組み合わせて使うVRゴーグルやVRヘッドセットは人気のアイテムで、今年のクリスマス商戦の目玉のひとつだった。実はこのVRがいま、医療の現場で使われようとしているのをご存じだろうか? 音や映像に熱中してその世界に浸ってしまうことで患者の気をそらせ、治療の痛みや恐怖を克服しようというわけだ。弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。

「医療従事者向けの学習ツールとして使われている手術シミュレーションなどVRを応用できる医学分野はさまざまですが、最近とくに注目されているのが痛みの治療です。鎮痛剤や医療用麻薬など痛みを抑える薬はたくさんありますが、長期間使用するとだんだん効かなくなる、依存性が出る、副作用が出るなどさまざまな問題が起こります。そこで期待されているのがVRディストラクション(気をそらせること)による治療です」

 痛みが出たとき、患者の意識を痛みから別の対象にそらすと、痛みが軽減する。人は限られた数の刺激にしか反応できないからだ。物がぶつかったときに人がその場所に手を当てて痛みから逃れようとするのはこのためで、それが「手当て」の語源にもなっている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ