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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「平均寿命」は「平均死亡年齢」ではない まったくの別物

公開日: 更新日:

 こうして年齢ごとの死亡数をシミュレーションして、その平均を取ったものが平均寿命というわけです。

 あなたが何歳ぐらいまで生きるかを示す指標ではありません。

 では厚生労働省が、高校生に向けて「95歳を基準に老後設計すべき」と言っているのはなぜでしょうか。17年生まれの平均寿命が81歳で、高校生が95歳というのは変な話です。

 理由は、計算に使われているのが現在の死亡率にすぎないという点です。

 国民の健康意識の高まりや、医療の進歩などによって死亡率が毎年少しずつ改善されています。その結果として、平均寿命も毎年のように延び続けているのです。

 厚生労働省はそれを見越して、高校生に95歳という目安を提示しているのです。

 中高年も同じです。1970年生まれ(現在48歳)の男性の平均寿命は、当時69.31歳と発表されていました。ですから平均寿命に惑わされてはいけないのです。

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