10~14歳が発症する1型糖尿病に新薬が 気になる注意点は?

公開日: 更新日:

 そこで行われるのが、1日4~5回インスリンを打ち、健康な人と同じような血糖値の変動に近づける強化療法だ。従来の方法と強化療法を比較した研究では、長期的に見れば、強化療法の方が心筋梗塞などの心血管イベント発症率が低く、死亡率も低い。ところが、ここにも問題がある。

「強化療法などでHbA1c値が良好なほど合併症の進行は抑えられます。しかし、今度は命に関わる重症低血糖の頻度が増える。重症低血糖が怖いから、これ以上血糖値を下げられない。しかし、HbA1c7.8%は高い。これをなんとかできないか、という思いがありました」

 そこで、SGLT2阻害薬の登場だ。この薬は血糖低下のほか、体重減少、血圧低下、HDL(善玉)コレステロール増加、中性脂肪低下など2型の病態を統合的に改善することが分かっている。1型にも同様の効果があるのではないかと考えられ、1型対象の臨床試験が行われた。それによると、SGLT2阻害薬はプラセボ(偽薬)に比べて、HbA1cと空腹時血糖値をより下げ、併用総インスリンの1日の投与単位数も減らせた。

■体重も減少

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?