致死率25% マダニで感染する「SFTS」 はどう防げばいい?

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 そしてもうひとつ重要なのが、「ペットのマダニ対策」だ。ペットから飼い主、獣医師、動物看護師が感染したケースが報告されている。

「人間と同様に、猫や犬もSFTSを発症することが、2017年、世界で初めて日本で確認されたのです。猫の致命率は人間以上で、60%。猫は発症すると動かなくなるほど弱ってしまう。唾液や糞尿など体液にはSFTSのウイルスが多数いるため、飼い主は看病している間に、獣医師や動物看護師は治療中に、感染するリスクがあるのです」(前田部長=以下同)

■感染動物が急激に増加

 猫や犬の感染が判明したのは17年だが、動物の間で急速にSFTS感染が拡大していることは、前田部長らの調査ですでに確認されていた。

「私が西日本のある地域のアライグマを07年から調べたデータがあります。それまではSFTS感染のアライグマはほとんどいませんでしたが、14年には30%が感染、15年以降は50%以上が感染していました」

 現段階では、SFTSの感染は西日本に集中しており、人間のSFTSの感染者が多い地域と、猫や犬の感染が多い地域とはほぼ重なっている。散歩や外に遊びに行ったペットについてマダニが運ばれてくることもあれば、ペットから人間に感染することもある。

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