著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

Y染色体に載っている遺伝子数はどんどん減っている

公開日: 更新日:

 Y染色体の大きさは、X染色体の3分の1しかないのですから、載っている遺伝子の数の違いもその程度はあると思われる人も多いでしょう。

 ところがそうではないのです。文献によって多少の上下がありますが、アメリカ国立医学図書館のホームページによれば、Y染色体の遺伝子はせいぜい50~60種類。対するX染色体には800~900種類もの遺伝子が載っているそうです。Y染色体は、男性と女性を分ける重要な役割を担っているにもかかわらず、思いのほかスカスカです。

 より詳しい研究によって、男女を分けているのは「SRY」と呼ばれる、たった1種類の遺伝子であることが分かっています。SRYはY染色体上にあって、胎児を男の子として成長させる役割を担っています。染色体の組み合わせがXXなら、SRYがないので女の子になります。

 しかしSRY遺伝子に突然変異が生じて、正常に作動しないことがたまに起こります。すると染色体の組み合わせはXYでも、生まれてくるのは女の子になります。またSRY遺伝子が、X染色体にコピーされてしまうことが、まれに起こります。すると染色体はXXでも、男の子が生まれてくるのです。染色体や遺伝子レベルで見ると、男女の違いは結構あやふやです。

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