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シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

電子たばこの安全性に疑問 継続的吸引で炎症や肺にダメージ

公開日: 更新日:

 電子たばこに使われる「ベープ・ジュース」と呼ばれる液体の一部がアセタールという刺激性化学物質をつくり出し、継続的に吸引すると炎症を起こしたり、肺にダメージを与えるかもしれない――。そんな研究結果が大きな波紋を呼んでいます。

 電子たばこは特に若い世代に爆発的な人気で、米国疾病対策センターによれば、300万人もの中高生が電子たばこを使用しているとされています。電子たばこの規制は州によって異なりますが、どの州も18歳未満は禁止。それでも吸引が後を絶たないのは、市場の7割を占めるトップブランド「ジュール」のUSBドライブに酷似したデザインと、マンゴー、クリームブリュレといったバラエティーに富んだフレーバーが若者を引きつけているからです。

 今回、研究を行ったイエール大学とデューク大学の合同チームが対象としたのも、このジュールのべープ・ジュースです。電子たばこには成分表示が義務付けられていないため、分離実験で調べたところ、クリームブリュレから刺激性物質のアセタールが検出されたといいます。

 アセタールは食品の味や香りづけに使われるアルデヒドという物質がアルコールに反応することで発生しますが、食品ではなく吸引でどんな影響を与えるのかは知られていません。研究チームは「電子たばこの人体への影響はまだほとんど分かっていない。さらなる研究が必要だ」としています。

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