著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

【セックス外傷】裏筋が突然裂けてコンドーム内が血まみれに

公開日: 更新日:

 セックスで起こるトラブルは何も性病だけではありません。性感染症を専門とする医療機関では、さまざまな相談が持ち込まれるものです。特に出血を伴うようなデリケートゾーンの外傷は、大騒ぎになるのは当然でしょう。

 男性の“包皮小帯断裂”は比較的起こりやすい外傷です。思い出すのは40代後半の男性Bさんのケースです。ソープランドで突然、ペニスの裏筋が裂けて出血し、コンドームの中が血だらけになりました。出血が止まらず、近くの病院の救急外来で形成外科医にとりあえず圧迫止血してもらい翌日、当院を受診されたのです。

 Bさんが「裂けた」と言うペニスの裏筋というのは「包皮小帯」です。亀頭を包む皮膚(包皮)と、尿道口がペニスの裏側でつながっているヒダの部分です。私が診察したときの裂けた傷口は直径5ミリ大で出血は止まっており、赤っぽいビラン状になっていました。軽い亀頭包皮炎(亀頭部と包皮の間の炎症)もありました。

 Bさんは以前から細菌などの感染で起こる亀頭包皮炎を繰り返している方でした。恐らく慢性的な粘膜の炎症が継続していたため、包皮小帯の弾力性が低下していたのでしょう。そこにセックス時のピストン運動という外的刺激が加わり突然、包皮小帯の断裂が生じたのでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」

  5. 5

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  1. 6

    侍J井端監督 強化試合メンバー発表の裏に「3つの深謀遠慮」…巨人・岡本和真が当選のまさか

  2. 7

    メジャー今オフにも「二刀流ルール」撤廃の可能性…ドジャース&大谷翔平に他球団のやっかみ集中

  3. 8

    “児童ポルノ”で衝撃逮捕!日本サッカー協会・影山技術委員長の素性…「精神的な負担を抱えていた」の声も

  4. 9

    奈良の鹿愛護会が語った現場のリアル…「シカさんをいじめるな!」の裏に横たわっている大問題

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発